自己資金はいくら必要?注文住宅を建てる際に必要な頭金の平均はどのくらい?
注文住宅を購入するにあたり、基本的には購入代金の一部を自己資金で賄う方も多く、この自己資金で支払う分が「頭金」に相当します。頭金は現金で支払いますが、住宅購入時は、税金や手数料といった諸費用も発生し、こちらも現金で支払うことが義務付けられています。
自己資金の平均と貯め方
■注文住宅の頭金の平均相場
注文住宅の土地購入者が投じた頭金の全国平均相場は土地所有者だと651,1万円ほどで、およそ9~20%程度の割合。土地付き注文住宅だと、450,2万円が平均となり、割合は11.1%になるようです。また、建売住宅だと302万円ほどで、割合は9%ほど。中古住宅は208.3万円で、割合は8.7%となるため、注文住宅を購入される層は、ある程度予算に余裕があることが伺えます。
■頭金は物件購入価格の10%を用意しよう
住宅販売の宣伝文句には、頭金ゼロで購入できるものもありますが、家自体の購入には住宅ローンを組み、諸経費に自己資金を充てるのが一般的です。そのため、頭金として用意する金額は、物件購入価格の10%は諸経費を賄えると見込めるので、そのくらい用意できると望ましいでしょう。一応、この諸経費も住宅ローンで賄えるケースも近年では見られるようになりましたが、ほぼネットバンクに限定されるので、選択肢という意味では、やはり自己資金を用意しておくに越したことはありません。
■頭金を貯めるコツ「財形住宅貯蓄」
注文住宅の購入には「財形住宅貯蓄」という有用な制度が用意されており、これは給与天引きで毎月住宅購入のために貯蓄する、積立定期預金に近い内容になっています。これを利用することで貯蓄残高が550万円になるまでは利子が非課税となり、さらに財形持家融資も適用されることに。ちなみに安定した貯蓄ができない場合、非課税にはなりませんが、銀行の積立定期預金にするのがいいでしょう。
頭金ゼロのリスク
■頭金ゼロは利息が高い
頭金ゼロで4千万円の住宅を年利1.4%、35年の返済ローンで購入するケースの場合を例として見てみましょう。毎月の返済額は頭金ゼロだとおよそ12万円、頭金1割だと10万8千円、頭金2割なら9万6千円ほどになります。頭金ゼロと2割の総支払額の差は、212万円にもなり、頭金ゼロは、かなりの利息を負担しなければならないことを留意しておく必要があるでしょう。
■頭金ゼロは借入金利が高い
頭金2割を支払わない場合の月々の支払額と総支払額について触れましたが、やはり頭金ゼロは支払額が高め。とはいえ、それでも頭金を支払うのはキツイということで、頭金ゼロか一割しか選択肢がない方もいるかもしれません。しかし先述したものは、あくまで同じ金利で計算した場合で、実際には頭金が少ない、あるいはゼロの場合だと、もっと金利が高くなることもあるので、2割出した場合と比較すると、より差は大きなものとなるでしょう。
■値下がりリスクが上がることも
頭金が少ないことで、値下がりした場合、リスクが上がってしまうことが懸念されます。その理由として、借入額が多いことによりローン残高が減りにくく、値下がりした際に物件の市場価格がローン残高を下回りやすくなるためです。それが災いして、売却しようにも売値だけではローンの返済には足りず、売ろうにも売れないという八方塞がり状態になってしまうケースも。
貯金は極力頭金に回すべきなのか?
もちろん、頭金を用意できれば、支払額や値下がりなどのリスクを回避しやすくはなりますが、それなら貯金のほとんどを、マイホームの購入に回した方がいいのか?という疑問もあるかもしれません。しかし、答えはNOです。
いくら頭金をたくさん用意したからといって貯金のほとんどを頭金に捻出するのも賢いやり方とは言えません。というのも、病気や事故、教育ローン、マイカーローンなど、いざというときのためのお金は取っておくに越したことはないからです。
また、住宅ローンを組む際は、団信(団体信用生命保険)に加入することになっています。これはローンを借りた人が亡くなった、あるいは高度障害で働けない状態になった場合に下りる、いざというときに役立つ保険。このようなものがあることから、貯金のほとんどを頭金に使うのではなく、住宅ローンを多めに借り、保険を有効活用する考え方も残されています。
まとめ
いかがでしたか?頭金を用意して注文住宅を購入するのは、今の時代なかなか勇気の要る決断かもしれませんが、自己資金をどれだけ頭金に投じるべきなのか、参考になりましたでしょうか?
頭金を用意する場合、少なくとも住宅価格の10%に相当する金額が必要で、これは諸費用相当額に該当します。金融機関によっては、諸費用含めて住宅ローンが組めるところもありますが、自己資金で賄えた方が、より広い選択肢から金融機関を選べるでしょう。
頭金ゼロは金利や値下がりなどリスクの面から、やはりおすすめとは言いにくいので、注文住宅は無理のない範囲で頭金を用意することがベターと言えます。